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HANDEL
1745




HERCULES

HWV 60
初演:1745年1月5日、ロンドン、ヘイマーケット国王劇場
台本:トーマス・ブロートン

作曲

 トーマス・ブロートンが台本を書いた。
 原作は、ソフォクレスの《トラキスの女たち》を中心に、オウィディウスの《変身物語》を加味。部分的には、シェイクスピアの影響も見られる。
 台本では、ハーキュリーズは実際には浮気しておらず、デジャナイラの思い込みに過ぎない。
 
 作曲は、1744年7月19日から8月17日までの一ヶ月弱。

初演

 初演は、1745年1月5日、ロンドンの国王劇場。12日にも再演された。

Hercules ... Henry Theodore Reinhold
Dejanira ... Robinson
Iole ... Elisabeth Duparc
Hyllus ... John Beard
Lichas ... Susanna Maria Cibber

 ひどい失敗。
 初日は、入りが悪かった上に、シバーが病気でほとんど歌えなかった。
 二日目は、シバーは回復したが、入りが初日以上に悪かった。

再演

1749年2月24日、ロンドン、コヴェントガーデン劇場
1回のみ。

1752年2月21日、ロンドン、コヴェントガーデン劇場
1回のみ。

音楽

《ハーキュリーズ》 音楽設計一覧

あらすじ

※登場人物は英語読みを原則とし、地名は一般的に用いられている読みを用います。

 ハーキュリーズ(ヘラクレス)は、デジャナイラ(デイアネイラ)と結婚して、息子ハイラス(ヒュロス)を得た。一家がトラキア(現在のブルガリアからトルコかけての地中海沿岸)に移住する際に、川を渡らなくてはならなかった。ハーキュリーズはハイラスを担いで渡った。デジャナイラは、渡守をしていたセントール(ケンタウロス 馬の首が人間の上半身になっている半人半獣の怪物)のネッサス(ネッソス)が担いだが、デジャナイラを襲ったので、怒ったハーキュリーズによって射殺された。ナッサスは死ぬ間際、デジャナイラに、自分の血は愛の薬になると伝えた。デジャナイラはナッサスの血に服を浸し、それを密かに保管しておいた。
 トラキアに居を構えた後、ハーキュリーズはオイカリアに戦いに出たまま音信不通になってしまう。

※ハーキュリーズが親から与えられた名は、オルサイディス Alcides(アルケイデス)。作品中でも度々この名で呼ばれています。

第1幕
 ハーキュリーズの伝令官でデジャナイラの従者であるライカス(リカス)は、デジャナイラを心配している。デジャナイラは、夫ハーキュリーズが戦いから戻らないので、深く悲しんでいる。ライカスは、すぐに帰って来るでしょうと慰めるが、デジャナイラの悲嘆は収まらない。息子のハイラスが、祭司の神託を語る。それによると、ハーキュリーズは既に死んでいるという。デジャナイラは絶望し、天国でハーキュリーズと再会することを夢見る。ハイラスは神託を信じず、父を捜しに世界中を旅しようと言う。人々は、父を思う息子の愛に感動する。
 すると、ハーキュリーズが帰還した報せが届き、デジャナイラは喜ぶ。ライカスは、捕虜たちの中に、美しい王女アイオル(イオレ)の姿を見つける。ハイラスは彼女の美しさに心惹かれる。デジャナイラはハーキュリーズを迎えに行く。ライカスは、デジャナイラが喜びを取り戻したことに安堵し、人々は諦めなければ天が運命を救ってくれると歌う。
 ハーキュリーズが凱旋する。彼は天に勝利を感謝し、アイオルにここでも自由にして良いと慰める。しかしアイオルは父を思い、嘆くばかり。ハーキュリーズは、これからは武器をおいて愛に生きようと宣言する。人々は祝う。

第2幕
 アイオルは、王女に生まれたが故の不幸を嘆き、田舎の娘の幸せを夢見る。デジャナイラが現れ、アイオルの美貌がヘラクレスの心を奪ってしまったと、彼女に嫉妬する。さらにデジャナイラは、ハーキュリーズがオイカリアを攻め落としたのも、アイオルをものにするだめだったとアイオルを罵る。アイオルはデジャナイラに、嫉妬は不幸を招くと警告する。ライカスは、ハーキュリーズが浮気をするとは信じられない。合唱が、デジャナイラを狂わせる嫉妬の恐ろしさを歌う。
 ハイラスはアイオルに愛を打ち明ける。しかし彼女は、祖国を滅ぼしたハーキュリーズの息子を愛することはできないと退け、ハーキュリーズの息子とは思えない気弱な愛を諦めるように諭す。しかしハイラスは恋を抑えられない。合唱が、愛の不可抗力を歌う
 デジャナイラはハーキュリーズに、オイカリアには勝利したが、今は敗者に落ちぶれた、と非難する。ハーキュリーズは、今の自分は栄光の頂点にあると反論する。デジャナイラは、捕らわれの娘が英雄を支配するとは、と嘆き、ハーキュリーズに武器を棄てて糸紡ぎでもしたらいい、となじる。ハーキュリーズは誤解を解こうと必死になるが、デジャナイラは夫への疑念を棄てられない。彼女は、ハーキュリーズかつて、彼女を裏切ったら陽が昇らなくなるだろう、と言ったことを思い出し、ハーキュリーズの悪事を暗闇に閉じ込めてしまえ、と呟く。ふと彼女は、ネッサスの血に浸した服を思い出す。彼女は、ハーキュリーズがそれを着れば、彼女への愛が蘇えると思っている。彼女はハイラスに、仲直りの印として、この服をハーキュリーズに持っていくように頼む。
 デジャナイラはアイオルに謝罪する。アイオルは神に感謝し、再び捕らわれの身を嘆く。デジャナイラはアイオルに、ハーキュリーズはいずれ祖国に帰ることを許してくれるでしょうと慰める。一人になると、デジャナイラはジュピター(ハーキュリーズの父でもある)に、服の効果が出るように祈る。合唱が、愛の神と婚礼の神を呼び寄せる。

第3幕
 ライカスが民衆に、ハーキュリーズの死を告げる。デジャナイラが送った服を着たハーキュリーズは、服に染み込んでいた毒がまわり亡くなったのだ。ライカスは嘆き、民衆は、暴君を痛めつけたハーキュリーズが亡くなったことで世が荒れることを憂れる。
 ジュピターの神殿。ハーキュリーズが悶え苦しんでいる。ハイラスは、ジュピターに救いを求める。ハーキュリーズは、デジャナイラの裏切りをなじる。そして息子ハイラスに、生きているうちに自分を火で焼いてほしいと願う。ハイラスは、オケリアにまでハーキュリーズの死が広まらないように祈る。
 デジャナイラは、ナッススの血の毒がもとでハーキュリーズを亡くしてしまったことで、錯乱している。彼女は、復讐の女神達に襲われる幻覚にとらわれる。現れたアイオルに、デジャナイラは食って掛かる。ハーキュリーズによって大きな不幸に落とされたアイオルだったが、この事件には同情している。
 祭司が現れ、火にかけられたハーキュリーズが、ジュピターに召し上げられたことを告げる。ハーキュリーズは神々の仲間を入りをしたのである。デジャナイラに、悲しみと喜びの感情が渦巻く。祭司はさらに、ジュピターが、アイオルとハイラスを結ぶよう命じたことを告げる。二人は喜びあう。祭司がハーキュリーズを讃え、民衆が唱和して幕となる。

Peter Kooij, Nicola Wemyss, Knut Schoch, Gerlinde Sämann, Franz Vitzthum, Liselotte Kuhn, Franz Schneider
Barockorchester Frankfurt, Junge Kantorei
Joachim Carlos Martini
Rheingau, 4 June 2006
NAXOS 8.557960-62

William Shimell, Joyce DiDonato, Toby Spence, Ingela Bohlin, Malena Ernman, Simon Kirkbride
Les Arts Florissants
William Christie
Luc Bondy
Paris, 22 December 2004
Bel Air Classiques BAC 013

パリのガルニエ宮で舞台上演されたもの。上演は、12月4,6,8,11,14,16,19,22,24,27日と行われました。

Gidon Saks, Anne Sofie von Otter, Richard Croft, Lynne Dawson, David Daniels
Les Musiciens du Louvre, Chœr des Musiciens du Louvre
Marc Minkowski
April 2000, Poissy
ARCHIV PRODUKTION UCCA-1026/8(Japanese Domestic)

ミンコウスキのヘンデルのCDの中では、《ジューリオ・チェーザレ》と共に、今一つの出来です。フォン・オッターのデジャナイラが明らかにミスキャスト。
第1幕のライカスのアリア The smiling hours of joyful train は、ダ・カーポ形式のうちAの部分のみ、さらに後奏12小節をカットして、次の合唱にすぐ続けています。
第1幕のアイオルのアリア Daughter of gods, bright liberty! とそれに先立つレシタティーヴ(始めの17小節をカット)は、ハーキュリーズのアリアの後、つまり幕切れ合唱の前に置かれています。
第2幕のライカスのアリア As stars, that rise and disappear は、本来の位置ではなく、第2幕のもう一つのアリア Constant lovers, never roving の場所に置かれています。Constant lovers, never roving はカット。
第2幕のアイオルのアリア Banish love from thy breast は、ダル・セーニョ形式のAの部分のみ。

John Tomlinson, Sarah Walker, Anthonyu Rolf Johnson, Catherine Denley
The English Baroque Soloists, The Monteverdi Choir
John Eliot Gardiner
August 1982, London
ARCHIV PRODUKTION 423 137-2


BELSHAZZAR

HWV 61
初演:1745年3月27日、ロンドン、ヘイマーケット国王劇場
台本:チャールズ・ジェネンズ
原作:『ダニエル書』など

 《サウル》、《メサイア》と協力をしたジェネンズとヘンデルですが、しかし《メサイア》の後険悪な仲になっていました。主として《メサイア》の音楽にジェネンズが失望したのが原因です。また遥か遠いダブリンで初演されたのも癪に障ったのでしょう。彼はヘンデルに執拗に音楽の書き直しを求めたといいます。ヘンデルとて頑固者、何かしらの衝突があったのではないでしょうか。
 しかしジェネンズは根本的にはヘンデルの音楽の賛美者で、《サムソン》も大いに楽しんだと述べています。したがってヘンデルと再度手を組むことも時間の問題でした。結局、1744年の5月頃には和解をしたようで、ヘイマーケットの国王劇場(ここで興行していたオペラ団が解散してしまい空いていたのです)での新作オラトリオを計画したのです。これが《ベルシャーザー》になります。
 ヘンデルはひとまず《ハーキュリーズ》の作曲を急ぎながら、遅筆のジェネンズの台本を待ちます。《ベルシャーザー》の台本は7月19日に第1部が、8月21日に第2部が彼の手に届きます。どちらの時もヘンデルはジェネンズに台本の素晴らしさを喜ぶ返事をしたためていますから、相当この作曲に熱心だったことが分かります。実際、既に《ハーキュリーズ》を完成させていたヘンデルは第3部の到着を待てず、8月23日には作曲を開始し、9月半ばまでにはこの2つの幕を完成し手直しまで終えているのです。9月13日にヘンデルはジェネンズに第3幕の催促をしているほどです。
 10月初めにヘンデルは第3幕の台本を受け取っています。彼は喜ぶと同時に、作品全体が大変な長さになることに危惧もしています。ジェネンズもやむなく台本の削除を認めていますが、彼は会場で販売するリブレットには全文を掲載するよう要求しています。
 物語は『ダニエル書』のベルシャーザーの饗宴を中心に、『エレミア書』、『イザヤ書』、ヘロドトスの『歴史』、クセノフォンの『キュロペディア』などをもとバビロンの滅亡を描いたもの。ユダヤ人たちが捕らえられているバビロンに、サイラス(キュロス)はユーフラテス川を干上がらせ道を作り、バビロンの酒の神の祭の宴会に攻撃をしかけることにします。一方ユダヤ人の指導者ダニエルはサイラスの行動が既に予言されているとユダヤ人を励まします。王宮ではベルシャーザーが母ニトクリスの諌めを聞き入れず宴会を開始、ユダヤの聖杯に酒を満たします。彼がユダヤの神を嘲ると、突然壁に手が現れ、謎の文字を書き記します。ダニエルはそれが王国の崩壊を予言するものだと述べます。サイラスが攻め込み、ベルシャーザーは破れます。サイラスはユダヤ人を解放、一同喜びとなる、といったもの。
 ジェネンズは上記の様々な出典から巧みに台本を組み立てています。しかしオラトオとして見た場合には長ったらしいことも否定できません。特に説明調の長いレチタティーヴォ・セッコが多いのは困りものです。
 ベルシャーザーの音楽は、ジェネンズの台本に導かれ、《エジプトのイスラエル人》的なアンセム風の合唱の活用と、イタリアオペラで培ったアリアの魅力、それに《サムソン》のような劇的オラトリオの手法が見事に融合しており、スケールの大きい作品になっています。またレチタティーヴォ・アッコンパニャートを(時にアリオーゾを交えて)効果的に用い、深い感情表現に成功しているのも特徴で、ことに第1幕冒頭のニトクリスの"Vain, fluctuating state of human empire!"は際立っています。
 全体のクライマックスは宴会の場面で手が不思議な言葉を書き残す第2幕の第2場でしょう。ここではにぎやかな宴の合唱から始まり、不思議な手の出現に驚くベルシャーザーやバビロンの人々の様子が短い音楽の連続で表された後、ダニエルの長く説得力に満ちた文字解読の場面、そして最後にニトクリスがベルシャーザーに悔い改めるよう諌める悲しみに満ちた美しいアリアが置かれています。

 このような極めて力の入った作品であったにもかかわらず、《ベルシャーザー》の初演は散々な目にあってしまいます。ダニエルを歌う予定だったコントラルトのスザンナ・シバーが初演直前になって不調になり、代役を立てられなかったのです。ヘンデルは次のように役を割り振り直しています。

 予定初演
ベルシャーザージョン・ベアード(T)ジョン・ベアード(T)
ニトクリスエリーザベト・デュパルク(S)エリザベート・デュパルク(S)
サイラスロビンソン夫人(Ms)ヘンリー・セオドア・レインホールド(Bs)
ダニエルスザンナ・シバー(A)ロビンソン夫人(Ms)
ゴブリアスヘンリー・セオドア・レインホールド(Bs)ジョン・ベアード(T)

このように、ベアードがベルシャーザー以外にゴブリアスを受け持ち、レインホールドとロビンソン夫人が役を代えて何とか上演はできたのです(もちろん楽譜もカットや変更が相当加えられました)が、この急な変更によって演奏はかなりガタガタだったことが伝えられています。結局この時は3回の上演があっただけでした。
 《ベルシャーザー》は1748年に再演の予定があり(しかし実現しませんでした)、さらに1751年2月22日と27日の2回再演が行われました。この際はヘンデルの意図通りの声の配分がされています。またいくつかの曲が改訂されています。

あらすじ 登場人物 ベルシャーザー バビロンの王 ニトクリス ベルシャーザーの母 サイラス ペルシャ王 ダニエル ユダヤ人の預言者 ゴブーリアス アッシリアの貴族、サイラス Nitocris, mother of Belshazzar (soprano) Cyrus, Prince of Persia (alto) Daniel, a Jewish prophet (alto) Gobrias, an Assyrian Nobleman, revolted to Cyrus (bass) Arioch, a Babylonian Lord (tenor) Messenger (bass) Chorus of Wise Men Chorus of Jews Chorus of Babylonians Chorus of Medes and Persians 第1部  バビロンの宮殿。バビロニア王ベルシャザルの母ニトクリスは、バビロニアの崩壊が近いことを予感している。捕囚されているユダヤ人の預言者ダニエルは、すべてを神に委ねるべきと告げる。  バビロンの城壁の外。ペルシャ王サイラスが軍勢を率いてバビロンを前にしているが、バビロンの人々は城壁の上からサイラスたちを嘲笑する。町は難攻不落の城壁に守られ、内部は食料の備蓄も豊富、さらに城壁の前には深みのあるユーフラテス川が流れているため、攻撃は容易ではなかった。バビロニア兵たちは城壁の上からサイラスを嘲笑う。 サイラスは、バビロニア人の祭に浮かれている時に、干上がったユーフラテス川を抜けて攻撃することを思いつく。ダニエルは、バビロニア滅亡の預言をする。そんなこととは知らぬベルシャザルは、宮殿で豪勢な宴を催し、ユダヤ人たちの警告も母ニトクリスの注意にも耳を貸さない。 Gobryas regrets that Babylon appears to be impregnable, equipped with ample supplies and protected from attack by the River Euphrates, and laments the death of his son, killed by Belshazzar. In his distress, he takes refuge only in thoughts of revenge. Cyrus tells him to dry his “unavailing tears” and reveals a plan that he received in a dream for the defeat of their enemies. It involves taking the city by diverting the river and entering 0.and liberate the captive Jews. Gobryas confirms that the river could be temporarily diverted into a reservoir at the west of the city, originally used when the Euphrates was drained in order to build the city’s fortifications: but even if they entered through the river channel, they would still be faced with the city’s gates. Cyrus reminds Gobryas that the Babylonians will be celebrating their God Sesach that night, with a feast involving much drunkenness and revelry: they might be temporarily negligent over their defenses. Cyrus determines to attempt his plan. He intends to “proceed in nothing with neglect of power divine,” and the chorus endorse the wisdom of his approach. Scene 3 Daniel tells his fellow Jews to look forward to the end of their captivity: Isaiah had predicted that Cyrus would release them and rebuild Jerusalem. Scene 4 Belshazzar announces, with relish, that the accustomed feast will be celebrated that night, but his mother is disturbed by the prospect of the licentiousness that traditionally accompanies the occasion. The Jews present also cast a shadow of disapproval over the prospect of the feast and Belshazzar, provoked, insults them by announcing that the sacred vessels taken from the Temple in Jerusalem will be used to hold the wine. The Jews remind Belshazzar that death is the punishment for sacrilege, and Nitocris appeals to her son to take the warning seriously. But Belshazzar dismisses the “Jewish superstition” and is all impatience for the Feast to begin. The Jews anticipate divine retribution against Belshazzar. Part II Scene 1 Without the city, the river almost empty. The diversion of the Euphrates has been successful, and Cyrus leads his forces into the city. They descend into the River. Scene 2 A banquet room, adorned with the Images of the Babylonian Gods. Belshazzar, his concubines and Lords, drinking out of the Jewish Temple-Vessels, and singing the Praises of their Gods. At the height of the feast, Belshazzar takes a bowl of wine (presumably the “temple vessels” are in use) and challenges the God of Judah to assert his rights. As he is going to drink, a Hand appears writing upon the wall over-against him; he sees it, turns pale with fear, drops the bowl of wine, falls back in his seat, trembling from head to foot, and his knees knocking against each other. The Babylonians rush to Belshazzar’s assistance, puzzled about the cause of his behavior (since the writing is behind them). Belshazzar responds by pointing to the Hand upon the wall, which, while they gaze at it with astonishment, finishes the writing, and vanishes. Everyone is puzzled by this “dire portentous sight”: Belshazzar sends for the assistance of wise men and soothsayers to interpret the writing. (A “Postillions” symphony represents the distribution of Belshazzar’s command.) The wise men acknowledge their failure to understand the “characters” of the writing. Nitocris remembers that the Jewish captives include Daniel, who has successfully undertaken difficult tasks of this nature in the past, and persuades Belshazzar to summon him. Daniel duly appears, and dismisses Belshazzar’s offers of rewards to interpret the writing but, after berating Belshazzar for his blasphemy, he undertakes the interpretation, by God’s command. He reads the words as “Mene, Tekel, Uphasin” (the last also with the variant as a passive participle “Peres”) and interprets them as a prophecy: Belshazzar’s reign is ended, Belshazzar himself is “found wanting,” and his kingdom is lost, divided between the Medes and Persians. Nitocris exhorts her son to repentance. Scene 3 Cyrus offers thanks to God for his success so far: the river-bed entry was successful and the gates were found open. He bids Gobryas lead his forces to the palace, confident that they will meet little effective resistance. He discourages them from “needless slaughter”: once Belshazzar is killed, Cyrus hopes to rule his empire benevolently. His followers respond with a chorus anticipating the blessings of his reign. Part III Scene 1 Nitocris still cherishes a hope that Belshazzar will save himself by repentance, but Daniel can hold out no hopes of a change in Belshazzar’s character. They receive news of the interruption of the feast by the arrival of the Persian forces: Cyrus is even now within the palace. The Jews salute the Lord’s triumph over the forces of the heathen gods. Scene 2 Another part of the Palace. Belshazzar, his Lords, and other Babylonians, with their swords drawn. Belshazzar, fortified by the wine, leads his forces to challenge Cyrus. A martial symphony, during which a battle is supposed, in which Belshazzar and his attendants are slain. Scene 3 Gobryas gives thanks to God for the victory, and then to Cyrus for avenging his son’s death. Cyrus sends Gobryas to seek out Nitocris and Daniel, and commands a limit to “destructive war.” Nitocris appeals to Cyrus to spare the people: Cyrus re-assures her, and offers himself as a replacement for the son that she has lost. Daniel hands Cyrus Isaiah’s prophecy, which he reads. Having defeated Belshazzar, Cyrus determines to fulfill the remainder of the prophecy by releasing the Jews from captivity so that they can return to Jerusalem. Cyrus will restore the city of Jerusalem and rebuild the temple there. The oratorio concludes with an anthem offering general praise to God. 【あらすじ】 第1幕 宮殿で、バビロニア王ベルシャザルの母ニトクリスはバビロニアの崩壊が近いことを感じ不安になっている。捕囚されているユダヤ人の預言者ダニエルは、すべてを神に委ねるべきと告げる。その頃ペルシャ王サイラス率いる軍はバビロンの町を睨んでいるが、堅固な城壁に守られ、食糧備蓄も豊富なため、バビロニア人たちは彼らをあざ笑うばかり。サイラスは、バビロニア人の祭に浮かれている時に、干上がったユーフラテス川を抜けて攻撃することを思いつく。ダニエルは、バビロニア滅亡の預言をする。そんなこととは知らぬベルシャザルは、宮殿で豪勢な宴を催し、ユダヤ人たちの警告も母ニトクリスの注意にも耳を貸さない。 第2幕 ユーフラテス川が干上がり、サイラスは攻撃を決意する。一方ベルシャザルは祭の日に大祝宴を催している。すると突然、壁に手が出現、謎の文字を書き残す。バビロニアの賢者たちはそれを解読できない。ニトクリスによって呼ばれたダニエルが、それがバビロニアの滅亡の預言であることを解読する。城壁の外では、サイラスが総攻撃を始めようとしていた。 第3幕 不安に苛まれているニトクリスをダニエルが落ち着かせていると、サイラス軍が城内に押し寄せたことが報告される。ベルシャザルはサイラスを迎え撃ちに出る。戦い。サイラスは勝利を収める。ニトクリスは民を助けるよう懇願し、サイラスもそれを請合う。捕囚のユダヤ人を解放すると宣言するサイラスを、ダニエルたちが讃える。

Kenneth Tarver, Rosemary Joshua, Bejun Mehta, Kristina Hammärström, Neal Davies, Christina Sampson, Lucy Taylor, Andrew Radley, Richard Wilberforce, Vernon Kirk, Andrew Davies
RIAS Kammerchor, Akademie für Alte Musik Berlin
René Jacobs
Christof Nel, Roland Aeschlimann, Bettina Walter, Olaf Freese
July 2008, Aix-en-Provence
harmonia mundi HMD 9809028(Blu-Ray)

エクサンプロヴァンス音楽祭での舞台上演の収録。

Mark LeBrocq, Miriam Allan, Patrick van Goethem, Michael Chance, André Morsch
Hanoverian Court Orchestra, Maulbronn Chamber Choir
Jürgen Budday
Kloster Maulbronn, 25 & 26 September 2004
K&K VERLAGSANSTALT KuK67

Markus Brutscher, Simone Kermes, Christopher Robson, Patrick van Goethem, Franz-Josef Selig
Collegium Cartusianum, Kölner Kammerchor
Peter Neumann
Köln, 11 February 2001
MDG GOLD MDG 332 1079-02

Anthony Rolf Johnson, Arleen Auger, Catherine Robbin, James Bowman, David Wilson-Johnson, Nicolas Robertson, Richard Wistreich
The English Concert, Choir of The English Concert
Trevor Pinnock
London, July 1990
ARCHIV 431 793

丁寧ながら、メリハリのない演奏。
歌手ではボウマンがミステリアスな存在感を発揮しているほか概ね上々です。
第2幕の合唱 Oh glorious prince! は改訂後の拡大されたものを、また第3幕の二重唱 Great victor, at your feet I bow も改訂後のイ長調のものを、さらに第3幕幕切れ近くのサイラスのレチタティーヴォ・アッコンパニャート Yes, I will magnify thee は新たに作曲されたものを使用しています。

Robert Tear, Felicity Palmer, Maureen Lehane, Paul Esswood, Peter van der Bilt, Thomas Sunnegårdh, Staffan Sandlund
Concentus musicus Wien, Stockholm Kammerkören
Nikolaus Harnoncourt
Wien, 1976
TELDEC 0630-10275

アーノンクールにしてはおとなしい演奏です。エスウッドの柔らかい声とパルマーの表現力が光ります。




1705 1706 1707 1708 1709
1711 1712 1713 1715 1718
1719 1720 1721 1723 1724
1725 1726 1727 1728 1729
1730 1731 1732 1733 1734
1735 1736 1737 1738 1739
1740 1741 1742 1743 1744
1745 1746 1747 1748 1749
1750 1751 1752 1757
Appendix 1 Appendix 2


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